2011年12月23日
後見制度支援信託1
しばらくの間ブログを更新できずにいました。仕事の都合でもありました。
さて、この2ヶ月で何よりも嬉しかったのは、私のブログをよく読んでくださっている方がお仕事のご依頼をくださったり、相談のお電話をくださったりしたことでした。嬉しい一方で少し考えさせられることもありました。読者の方の中には、すごく内容をよく読み考えてくださっている方がいらっしゃるということが今さらながら認識できました。
私のブログは、基本的には私生活を書かず、司法書士の業務を通じ法律業務の情報を提供することを目的としてきましたが、こんなによく読まれていることを考えると、「こんなブログでいいのだろうか?」と若干反省と後悔の念が生じてきていました。今後もっとしっかりした内容を提供しないといけないと切に感じています。
前置きはそのぐらいにして本題に入ります。昨日、私の所属する(公社)成年後見センター・リーガルサポート東京支部の研修が神保町の一橋ホールでありました。研修テーマは「後見制度支援信託」でした。
今年のはじめあたりから「後見制度支援信託」という言葉をちらほら聞く方もいらっしゃると思います。成年後見業務関係者は特にこの言葉に敏感になっていることと思います。
民法上、後見人になれるのは司法書士などの専門職だけではなく親族も後見人になることができます。近年、親族が後見人になった案件で、後見人が預かっている被後見人の財産を横領してしまう事件が非常に多く、判明しているだけでも被害額は22億、1日600万円が横領されているという事実があるようです。講師として招かれていた最高裁判所の家庭局課長の方が非常に心配そうな面持ちで現状を説明くださっていました。
この現状を改善し、被害を少なくするため、親族を後見人として就任させる場合、日常生活に必要な金銭を残したまま、大半の財産を信託銀行に預けさせ、勝手に財産を使えなくするシステムを構築したようです。もちろん、被後見人の医療費に多額の出費が必要な場合には、信託銀行から引き出すことができますが、この場合には事前に家裁に報告書を出し、家裁が承認し「指示書」が出ないと預金をおろせないシステムになっています。いわゆる事前チェックを徹底したシステムです。このシステムが「後見制度支援信託」と言われるものだそうです。要は、ほとんどの財産を信託銀行で凍結し、簡単に引き出せない仕組みです。
原則として、今後申立がなされる「親族が後見人に就任する」案件につき、来年からテスト的に開始するようです。今我々が担当している案件について「後見制度支援信託」に強制的に移行を求められるわけではないようです。
我々司法書士の関与ですが、モデルケースとして①家裁が親族後見人と職業後見人という複数後見人を選任する②職業後見人が財産調査をして支援信託制度を活用できるかを判断のうえ家裁に意見を述べる③支援信託制度を活用できる場合は、どの信託銀行へ預け入れるか等を検討④信託銀行に預け入れた後、職業後見人は辞任、親族後見人が財産を管理⑤親族後見人が財産管理を継続する、ということになるとのことです。
そして、新たにリーガルサポートが実施した研修を受講した会員につき「支援信託名簿登載者」として家裁に提出し、名簿に従い仕事を依頼するという形になるようです。この関与は弁護士と司法書士が行うとのことです。自己破産の際の「破産管財人名簿」で弁護士が管財人に選任されるのと同じ様な感じなのでしょう。
高齢化社会を迎え、この分野は流動的な要素が多く、これからも責任重大です。
さて、この2ヶ月で何よりも嬉しかったのは、私のブログをよく読んでくださっている方がお仕事のご依頼をくださったり、相談のお電話をくださったりしたことでした。嬉しい一方で少し考えさせられることもありました。読者の方の中には、すごく内容をよく読み考えてくださっている方がいらっしゃるということが今さらながら認識できました。
私のブログは、基本的には私生活を書かず、司法書士の業務を通じ法律業務の情報を提供することを目的としてきましたが、こんなによく読まれていることを考えると、「こんなブログでいいのだろうか?」と若干反省と後悔の念が生じてきていました。今後もっとしっかりした内容を提供しないといけないと切に感じています。
前置きはそのぐらいにして本題に入ります。昨日、私の所属する(公社)成年後見センター・リーガルサポート東京支部の研修が神保町の一橋ホールでありました。研修テーマは「後見制度支援信託」でした。
今年のはじめあたりから「後見制度支援信託」という言葉をちらほら聞く方もいらっしゃると思います。成年後見業務関係者は特にこの言葉に敏感になっていることと思います。
民法上、後見人になれるのは司法書士などの専門職だけではなく親族も後見人になることができます。近年、親族が後見人になった案件で、後見人が預かっている被後見人の財産を横領してしまう事件が非常に多く、判明しているだけでも被害額は22億、1日600万円が横領されているという事実があるようです。講師として招かれていた最高裁判所の家庭局課長の方が非常に心配そうな面持ちで現状を説明くださっていました。
この現状を改善し、被害を少なくするため、親族を後見人として就任させる場合、日常生活に必要な金銭を残したまま、大半の財産を信託銀行に預けさせ、勝手に財産を使えなくするシステムを構築したようです。もちろん、被後見人の医療費に多額の出費が必要な場合には、信託銀行から引き出すことができますが、この場合には事前に家裁に報告書を出し、家裁が承認し「指示書」が出ないと預金をおろせないシステムになっています。いわゆる事前チェックを徹底したシステムです。このシステムが「後見制度支援信託」と言われるものだそうです。要は、ほとんどの財産を信託銀行で凍結し、簡単に引き出せない仕組みです。
原則として、今後申立がなされる「親族が後見人に就任する」案件につき、来年からテスト的に開始するようです。今我々が担当している案件について「後見制度支援信託」に強制的に移行を求められるわけではないようです。
我々司法書士の関与ですが、モデルケースとして①家裁が親族後見人と職業後見人という複数後見人を選任する②職業後見人が財産調査をして支援信託制度を活用できるかを判断のうえ家裁に意見を述べる③支援信託制度を活用できる場合は、どの信託銀行へ預け入れるか等を検討④信託銀行に預け入れた後、職業後見人は辞任、親族後見人が財産を管理⑤親族後見人が財産管理を継続する、ということになるとのことです。
そして、新たにリーガルサポートが実施した研修を受講した会員につき「支援信託名簿登載者」として家裁に提出し、名簿に従い仕事を依頼するという形になるようです。この関与は弁護士と司法書士が行うとのことです。自己破産の際の「破産管財人名簿」で弁護士が管財人に選任されるのと同じ様な感じなのでしょう。
高齢化社会を迎え、この分野は流動的な要素が多く、これからも責任重大です。
2011年10月26日
貸金庫開閉の立会
先日、相続関係の業務で、貸金庫開閉の立会をいたしました。実際に私が後見人に就任していた案件で、被後見人の財産調査のために貸金庫開閉の手続をしたことがありますが、後見業務以外で立ち会うのはこれがはじめてでした。
概ねどこの銀行でも貸金庫の造りは同じ様です。小さな部屋にたくさんの引き出しがあります。相続人が貸金庫を開け、中の収納物を一緒に見ました。貸金庫には不動産の権利証や遺言書が入っていることが往々にしてあります。今回の件でも権利証が入っていました。
事前にその相続人の方と「自筆証書遺言が出てきたら開封せずに遺言検認申立を家庭裁判所に行いましょう。もしかすると公正証書遺言の関係書類が出くるかもしれませんね。」と話していましたが、遺言書は出てきませんでした。
今回の相続関係は単純なので、被相続人も遺言書を書かなかったのでしょうか。しかし、後から遺言書が出てくると困りますので、即座にその足で公証役場に駆け込みました。公証役場で公正証書遺言の検索をしてもらいましたところ、公正証書遺言もないということで証明もいただきました。
相続に関する手続は結構手間がかかりますが、依頼者と共同して手続を進めるので、やっているうちに相互の信頼関係が深まるように感じます。
概ねどこの銀行でも貸金庫の造りは同じ様です。小さな部屋にたくさんの引き出しがあります。相続人が貸金庫を開け、中の収納物を一緒に見ました。貸金庫には不動産の権利証や遺言書が入っていることが往々にしてあります。今回の件でも権利証が入っていました。
事前にその相続人の方と「自筆証書遺言が出てきたら開封せずに遺言検認申立を家庭裁判所に行いましょう。もしかすると公正証書遺言の関係書類が出くるかもしれませんね。」と話していましたが、遺言書は出てきませんでした。
今回の相続関係は単純なので、被相続人も遺言書を書かなかったのでしょうか。しかし、後から遺言書が出てくると困りますので、即座にその足で公証役場に駆け込みました。公証役場で公正証書遺言の検索をしてもらいましたところ、公正証書遺言もないということで証明もいただきました。
相続に関する手続は結構手間がかかりますが、依頼者と共同して手続を進めるので、やっているうちに相互の信頼関係が深まるように感じます。
2011年10月11日
判決による所有権保存登記
本日はちょっと専門的な話題になってしまいます。
建物を新築した時、はじめになされる不動産の登記は「表題登記」というものです。登記簿(登記事項証明書)の上部に「表題部」という部分があります。ここでの登記は、建物であれば所在、家屋番号、種類、構造、床面積、所有者を、土地であれば所在、地番、地目、地積、所有者を公示する登記です。この登記は土地家屋調査士の先生にお願いします。
表題登記が終わったら、権利に関する登記として「誰が所有者であるか」を公示するための「所有権保存登記」を申請します。所有権保存登記は、原則として、表題部に記載された所有者を申請すればいいだけなのであまり難しくありません。すぐに登記申請できます。難しくないといっても、この登記がされていないと、以後、その不動産を売却する際に必要となる所有権移転登記等ができませんので、必ず申請が必要な登記です。
さて、今回取り扱ったのは非常に特殊な登記でした。土地についての所有権保存登記はほとんどの土地についてなされているはずですが、世の中には、まだ土地の所有権保存が未了の不動産があります。
表題部の登記(所有者A)はあるものの、A名義の所有権保存登記がなされていない土地がありました。その土地を長年管理占有してきたBがいました。Aはすでになくなっており、Aの相続人Xもなくなっていました。実質上所有者のように管理占有してきたBは、当該土地の固定資産税も支払ってきたので名義も自己名義にしたいと考えていました。
そこで家裁でAの相続人Xに相続財産管理人を選任してもらい、Xを被告として時効取得を原因として所有権移転登記を命じる給付判決を得ることができ、判決も確定しました。さて、不動産登記はどうするかということになりました。
以前ブログで書いた記憶がかすかにあります。不動産登記の大原則とは、不動産の物件変動の過程を忠実に登記簿(登記事項証明書)に反映させることでした。その物件を、AからXが相続してBが時効取得したのであれば、原則として登記申請の方法は、Aの保存登記→Xへの相続登記→Bへの時効取得による移転登記という登記申請をしなければいけません。
しかし、今回の案件ではAの相続人の戸籍はあるものの、AとXの住民票が収集できなかったこともあり、登記申請に必要な書類が揃わないことになりそうでした。そのため「例外として何か簡単に登記申請できる方法はないか?」をずっと考えていました。登記先例や不動産登記法の条文で検討した結果「名案」が浮かびました。
不動産登記法第74条1項2号「所有権を有することが確定判決によって確認されたもの」→この条項を使えばいけるのではないか?と思いつきました。
そこで、74条1項2号及びその条文を補足する先例を検討し、「表題部A名義からB名義に一発で所有権保存登記が可能なのではないか」との見解を法務局に協議したところ、登記官が認めてくれました。
完了した登記簿(登記事項証明書)によると、表題部の所有者はAであるものの、権利の登記では所有者がBとなっています。このような登記申請を実践できたことに達成感を感じることができました。
建物を新築した時、はじめになされる不動産の登記は「表題登記」というものです。登記簿(登記事項証明書)の上部に「表題部」という部分があります。ここでの登記は、建物であれば所在、家屋番号、種類、構造、床面積、所有者を、土地であれば所在、地番、地目、地積、所有者を公示する登記です。この登記は土地家屋調査士の先生にお願いします。
表題登記が終わったら、権利に関する登記として「誰が所有者であるか」を公示するための「所有権保存登記」を申請します。所有権保存登記は、原則として、表題部に記載された所有者を申請すればいいだけなのであまり難しくありません。すぐに登記申請できます。難しくないといっても、この登記がされていないと、以後、その不動産を売却する際に必要となる所有権移転登記等ができませんので、必ず申請が必要な登記です。
さて、今回取り扱ったのは非常に特殊な登記でした。土地についての所有権保存登記はほとんどの土地についてなされているはずですが、世の中には、まだ土地の所有権保存が未了の不動産があります。
表題部の登記(所有者A)はあるものの、A名義の所有権保存登記がなされていない土地がありました。その土地を長年管理占有してきたBがいました。Aはすでになくなっており、Aの相続人Xもなくなっていました。実質上所有者のように管理占有してきたBは、当該土地の固定資産税も支払ってきたので名義も自己名義にしたいと考えていました。
そこで家裁でAの相続人Xに相続財産管理人を選任してもらい、Xを被告として時効取得を原因として所有権移転登記を命じる給付判決を得ることができ、判決も確定しました。さて、不動産登記はどうするかということになりました。
以前ブログで書いた記憶がかすかにあります。不動産登記の大原則とは、不動産の物件変動の過程を忠実に登記簿(登記事項証明書)に反映させることでした。その物件を、AからXが相続してBが時効取得したのであれば、原則として登記申請の方法は、Aの保存登記→Xへの相続登記→Bへの時効取得による移転登記という登記申請をしなければいけません。
しかし、今回の案件ではAの相続人の戸籍はあるものの、AとXの住民票が収集できなかったこともあり、登記申請に必要な書類が揃わないことになりそうでした。そのため「例外として何か簡単に登記申請できる方法はないか?」をずっと考えていました。登記先例や不動産登記法の条文で検討した結果「名案」が浮かびました。
不動産登記法第74条1項2号「所有権を有することが確定判決によって確認されたもの」→この条項を使えばいけるのではないか?と思いつきました。
そこで、74条1項2号及びその条文を補足する先例を検討し、「表題部A名義からB名義に一発で所有権保存登記が可能なのではないか」との見解を法務局に協議したところ、登記官が認めてくれました。
完了した登記簿(登記事項証明書)によると、表題部の所有者はAであるものの、権利の登記では所有者がBとなっています。このような登記申請を実践できたことに達成感を感じることができました。
2011年09月15日
遺言と不動産登記
先日、東京司法書士会で「遺言」についての研修がありました。公開講座だったようで、司法書士以外の一般の方も参加されていて、新鮮な感じで受講できました。
講師の司法書士が、遺言の種類、書き方等の基本的な事項を丁寧に解説していました。なお、遺言をする場合、概ね不動産を所有する人が多いという話も聞きました。
そして不動産と遺言についても改めて知識の確認ができました。
遺言書で、Aさんが第三者であるBさんに不動産を遺贈するため遺言書を書きました。A死亡後、遺贈による所有権移転登記をする必要があります。
不動産登記の申請をする場合、遺言で「相続」を原因として親族から相続登記をする際には、名義を受ける親族自身が単独で所有権移転登記を申請することができます。しかし、親族ではない第三者に移転登記をする場合は「遺贈」を登記の原因として所有権移転登記をしなければなりません。この「遺贈」の登記は単独で申請することはできませんので、Aさんの遺言書に遺言執行者の指定がある場合はその遺言執行者とBさんが共同して所有権移転登記を申請することになります。遺言書に遺言執行者の指定がない場合は、Aの相続人全員が登記義務者として登記申請をせざるをえません。
そうすると遺留分を有する相続人が登記義務者になることもあり、遺言内容を良く思っていない相続人が手続に協力しないことが考えられ、遺言内容の実現が困難になってくることが考えられます。
第三者に不動産を遺贈する場合、死後に所有権移転登記をスムースに行うには遺言執行者を遺言書に書いておくべきと考えます。
ちなみに、過去、遺言書をご持参のうえ登記を依頼くださった方のうち、「この文言では登記が難しい、できない。」という文言の遺言がありました。法務局に私の見解を述べて、何とか登記できたものもあります。遺言書を書く前に専門家に相談したほうが確実だと思います。
講師の司法書士が、遺言の種類、書き方等の基本的な事項を丁寧に解説していました。なお、遺言をする場合、概ね不動産を所有する人が多いという話も聞きました。
そして不動産と遺言についても改めて知識の確認ができました。
遺言書で、Aさんが第三者であるBさんに不動産を遺贈するため遺言書を書きました。A死亡後、遺贈による所有権移転登記をする必要があります。
不動産登記の申請をする場合、遺言で「相続」を原因として親族から相続登記をする際には、名義を受ける親族自身が単独で所有権移転登記を申請することができます。しかし、親族ではない第三者に移転登記をする場合は「遺贈」を登記の原因として所有権移転登記をしなければなりません。この「遺贈」の登記は単独で申請することはできませんので、Aさんの遺言書に遺言執行者の指定がある場合はその遺言執行者とBさんが共同して所有権移転登記を申請することになります。遺言書に遺言執行者の指定がない場合は、Aの相続人全員が登記義務者として登記申請をせざるをえません。
そうすると遺留分を有する相続人が登記義務者になることもあり、遺言内容を良く思っていない相続人が手続に協力しないことが考えられ、遺言内容の実現が困難になってくることが考えられます。
第三者に不動産を遺贈する場合、死後に所有権移転登記をスムースに行うには遺言執行者を遺言書に書いておくべきと考えます。
ちなみに、過去、遺言書をご持参のうえ登記を依頼くださった方のうち、「この文言では登記が難しい、できない。」という文言の遺言がありました。法務局に私の見解を述べて、何とか登記できたものもあります。遺言書を書く前に専門家に相談したほうが確実だと思います。
2011年09月08日
自己破産の流れ1 申立
先日、地方裁判所に自己破産の申立を致しました。
司法書士は裁判所若しくは検察庁に提出する書類の作成が認められています。裁判所に提出する書類の作成として破産手続開始・免責許可決定書という申立書を作成し、本人と一緒に地裁に同行し申立をします。
司法書士が申立書類を作成し申立に関与する場合、あくまでも本人が単独で申立をしたという「本人申立」という形式で申立をします。(司法書士は申立本人の代理人にはなれないので、本人が中心となって手続を進めるということです。)
さて、司法書士が「介入通知」を出すと債権者、業者からの取立が止まります。この止まっている間に、当事務所では原則として1ヶ月に1回、私と面談させていただいております。この面談は、生活状況を教えてもらい、生活を落ち着かせるために行っていると同時に、何よりも業者からの取立が止まっている間に「破産手続開始・免責許可申立書」を作成するために行います。申立書類は調査事項が多岐にわたっています。申立書の調査内容についてはいずれ書きたいと思います。
依頼者の方から丁寧に事情を確認し、申立書類を完成させます。これは結構手間がかかります。特に、受託した当初は依頼者の方との信頼関係があまり構築されていないこともあり、スムーズに進まないことも多く大変苦労することもあります。
裁判所に申立書を提出すると、1時間程度待合室で待たされます。この時間は非常に長く感じます。待っている間に裁判所書記官の方が申立書類をチェックします。時にチェックは厳しく本人が財産関係について色々質問されることがあります。
先日の申立では本人がほとんど質問されることがなかったので無事に受理されました。
司法書士は裁判所若しくは検察庁に提出する書類の作成が認められています。裁判所に提出する書類の作成として破産手続開始・免責許可決定書という申立書を作成し、本人と一緒に地裁に同行し申立をします。
司法書士が申立書類を作成し申立に関与する場合、あくまでも本人が単独で申立をしたという「本人申立」という形式で申立をします。(司法書士は申立本人の代理人にはなれないので、本人が中心となって手続を進めるということです。)
さて、司法書士が「介入通知」を出すと債権者、業者からの取立が止まります。この止まっている間に、当事務所では原則として1ヶ月に1回、私と面談させていただいております。この面談は、生活状況を教えてもらい、生活を落ち着かせるために行っていると同時に、何よりも業者からの取立が止まっている間に「破産手続開始・免責許可申立書」を作成するために行います。申立書類は調査事項が多岐にわたっています。申立書の調査内容についてはいずれ書きたいと思います。
依頼者の方から丁寧に事情を確認し、申立書類を完成させます。これは結構手間がかかります。特に、受託した当初は依頼者の方との信頼関係があまり構築されていないこともあり、スムーズに進まないことも多く大変苦労することもあります。
裁判所に申立書を提出すると、1時間程度待合室で待たされます。この時間は非常に長く感じます。待っている間に裁判所書記官の方が申立書類をチェックします。時にチェックは厳しく本人が財産関係について色々質問されることがあります。
先日の申立では本人がほとんど質問されることがなかったので無事に受理されました。
2011年08月26日
地方裁判所での本人訴訟
司法書士は訴額(訴訟によって争う額)140万円以下の民事事件につき、簡易裁判所での訴訟代理人になることができます。といっても司法書士であれば全員この代理権を有するわけではなく、法務省の研修を受け、法務省の簡易裁判所認定考査試験に合格しないと代理権が与えられません。この代理権を与えられた司法書士は「認定司法書士」といいます。実際のところ単に「司法書士」と言ってますが・・・。
この訴訟代理権は140万円以下の民事事件についての簡易裁判所での代理権に限定されていますので、140万円を超えた地方裁判所が管轄を有する民事事件においては司法書士は代理人として活動することはできません。
そこでどうするかですが、司法書士は裁判所、検察庁に提出する書類の作成が認められています(司法書士法第3条)ので、司法書士が訴状、答弁書を作成、地方裁判所に提出し、初回期日の期日請書や送達場所の届出等、概ねの事務的な段取りを行った上で、地方裁判所に出廷する期日に法廷には本人に出廷してもらいます。法廷では司法書士が歌舞伎などの「黒子:クロコ」として傍聴席で本人にサインを送って操り、裁判手続を進めていくという方法を執ることがあります。我々は簡易裁判所には訴訟代理権があるので、これを俗に「地裁の本人訴訟」とか言います。
先日、この本人訴訟をして参りました。事件番号の呼び出しの後、地裁の原告席に依頼者本人に座ってもらいます。この時私は傍聴席の最前列の本人に一番近い場所に座っています。裁判官によっては事実上の代理人である司法書士に色々な質問をしてきますが、あくまで原告は代理人のつかない本人訴訟なので、裁判官によっては本人に質問してきます。昨日の裁判官は、本人に質問をしてきて、司法書士を完全シカトする裁判官でした。
依頼者本人と予めブロックサインを決めておき裁判官の質問に答える準備をしますが、概ねは私が傍聴席で話したことを本人もそのまま話してもらう形で訴訟進行していきます。
過払訴訟などは立証のため証人尋問、本人尋問が必要なわけではなく、ある程度準備書面など書類のやりとりで訴訟が進行していきます。そのため本人訴訟をすること自体それほど難しいものではないと思いますが、裁判と聞いただけでアレルギーをおこす方もいるので、本人訴訟をするかどうかは依頼者本人とよく話しあって決めています。依頼者本人の社会経験が十分豊富であれば概ね本人訴訟に耐えうると思います。
この方だったら大丈夫だと思い本人訴訟をしたものの、法廷で一言も話せなかったという方がいる一方で、事前の打ち合わせをよく理解し、法廷で「はい。」「お願いします。」などと平然と回答し、私としっかりアイコンタクトをとり難なくこなす方もいます。
それを見ながら「もしも私が本人として臨んでいてもこんな上手くできなかっただろう。見事だな。」と感心してしまいました。
この訴訟代理権は140万円以下の民事事件についての簡易裁判所での代理権に限定されていますので、140万円を超えた地方裁判所が管轄を有する民事事件においては司法書士は代理人として活動することはできません。
そこでどうするかですが、司法書士は裁判所、検察庁に提出する書類の作成が認められています(司法書士法第3条)ので、司法書士が訴状、答弁書を作成、地方裁判所に提出し、初回期日の期日請書や送達場所の届出等、概ねの事務的な段取りを行った上で、地方裁判所に出廷する期日に法廷には本人に出廷してもらいます。法廷では司法書士が歌舞伎などの「黒子:クロコ」として傍聴席で本人にサインを送って操り、裁判手続を進めていくという方法を執ることがあります。我々は簡易裁判所には訴訟代理権があるので、これを俗に「地裁の本人訴訟」とか言います。
先日、この本人訴訟をして参りました。事件番号の呼び出しの後、地裁の原告席に依頼者本人に座ってもらいます。この時私は傍聴席の最前列の本人に一番近い場所に座っています。裁判官によっては事実上の代理人である司法書士に色々な質問をしてきますが、あくまで原告は代理人のつかない本人訴訟なので、裁判官によっては本人に質問してきます。昨日の裁判官は、本人に質問をしてきて、司法書士を完全シカトする裁判官でした。
依頼者本人と予めブロックサインを決めておき裁判官の質問に答える準備をしますが、概ねは私が傍聴席で話したことを本人もそのまま話してもらう形で訴訟進行していきます。
過払訴訟などは立証のため証人尋問、本人尋問が必要なわけではなく、ある程度準備書面など書類のやりとりで訴訟が進行していきます。そのため本人訴訟をすること自体それほど難しいものではないと思いますが、裁判と聞いただけでアレルギーをおこす方もいるので、本人訴訟をするかどうかは依頼者本人とよく話しあって決めています。依頼者本人の社会経験が十分豊富であれば概ね本人訴訟に耐えうると思います。
この方だったら大丈夫だと思い本人訴訟をしたものの、法廷で一言も話せなかったという方がいる一方で、事前の打ち合わせをよく理解し、法廷で「はい。」「お願いします。」などと平然と回答し、私としっかりアイコンタクトをとり難なくこなす方もいます。
それを見ながら「もしも私が本人として臨んでいてもこんな上手くできなかっただろう。見事だな。」と感心してしまいました。
2011年08月10日
特例有限会社の変更登記
数年前有限会社という会社がありましたが、商法が会社法に改正され、これから新たに有限会社を作ることはできなくなりました。
既存の有限会社は、そのままにしておけば「有限会社」という名前を残して「特例有限会社」として存続することができます。登記事項証明書(登記簿)上は有限会社ですが会社法上は株式会社として存続します。
このような「特例有限会社」の役員(取締役等)は有限会社の性質を引き継ぐため、定款に別段の定めがないかぎり任期を満了することがありません。そのため、数年ごとに役員変更登記を申請する必要もありません。新たに就任する取締役の任期もありません。余計な費用がかからず経済的です。
さらに、これら会社の商号は「有限会社」と表記されたままですが、この会社を登記事項証明書(登記簿)上においても「株式会社」に変更することができます。この登記手続を、特例有限会社の株式会社移行の登記等と言います。
登記事項証明書(登記簿)上「有限会社」であるよりも「株式会社」と名乗ったほうが対外的信用度が違うとお考えの経営者様が経営する会社につき、上記の変更登記を検討、受託したことがあります。
何ともややこしいですね。会社法が施行されてからほぼ5年経過しましたが、商業登記手続を受託するたびに実務書で勉強しています。受験時代の知識あっての実務ですが、実務では試験のような記述式問題が目の前に与えられているわけではなく、依頼者様のお話を聞き関係者とのコミュニケーションを通じ登記事項証明書の登記記録に至るまでの作業が中心になります。蛇足ですが依頼者様とのコミュニケーション自体が仕事を非常に新鮮で面白くしてくれます。これが我々の仕事の醍醐味なのでしょう。
既存の有限会社は、そのままにしておけば「有限会社」という名前を残して「特例有限会社」として存続することができます。登記事項証明書(登記簿)上は有限会社ですが会社法上は株式会社として存続します。
このような「特例有限会社」の役員(取締役等)は有限会社の性質を引き継ぐため、定款に別段の定めがないかぎり任期を満了することがありません。そのため、数年ごとに役員変更登記を申請する必要もありません。新たに就任する取締役の任期もありません。余計な費用がかからず経済的です。
さらに、これら会社の商号は「有限会社」と表記されたままですが、この会社を登記事項証明書(登記簿)上においても「株式会社」に変更することができます。この登記手続を、特例有限会社の株式会社移行の登記等と言います。
登記事項証明書(登記簿)上「有限会社」であるよりも「株式会社」と名乗ったほうが対外的信用度が違うとお考えの経営者様が経営する会社につき、上記の変更登記を検討、受託したことがあります。
何ともややこしいですね。会社法が施行されてからほぼ5年経過しましたが、商業登記手続を受託するたびに実務書で勉強しています。受験時代の知識あっての実務ですが、実務では試験のような記述式問題が目の前に与えられているわけではなく、依頼者様のお話を聞き関係者とのコミュニケーションを通じ登記事項証明書の登記記録に至るまでの作業が中心になります。蛇足ですが依頼者様とのコミュニケーション自体が仕事を非常に新鮮で面白くしてくれます。これが我々の仕事の醍醐味なのでしょう。
2011年08月03日
施設訪問2
毎年、この時期は酷暑ですが、今年の夏は幸いあまり暑くないので体が楽です。暑くないといっても老人施設には入口に手指消毒液がおいてあり、衛生面でしっかり対策をしていて感心しております。
夏は常々、入所者である被後見人が「食中毒」になっていないかなどが気になります。さらに食中毒だけではなく被後見人の「食欲」も気になります。
お年を召され体調が悪くなると食欲がなくなります。元気な方は決まって食欲旺盛です。だから私は必ず「こんにちは、食事はちゃんと食べていますか?美味しいですか?」と聞きます。昨日も同じように聞きました。被後見人の方は軽度の認知症なので毎回私を認識しているかどうかわかりませんが、昨日は私の顔を見るなり「・・・・。あ・・・。」といった具合でした。「食べてます・・・。」という回答を聞き、安心しました。
昨日は部屋のロビーに入所者全員が集まり、全員で懐かしのメロディーを合唱していました。みな非常に楽しそうでした。人生の終末を迎えた方たちがのんびりと余生を過ごしています。この光景を寂しいと捉えることもできましょうが、私は入所者が今までの人生で全てをやり遂げたという充実感のようなものを感じています。その傍らに同席していた私も充実感を感じるとともに、のんびりとした時間を過ごすことができます。
施設によってまちまちですが、このような合唱等の催しを丁寧に実施してくれています。職員の方も全員大変優しく、そこにいるだけで守られている安心感を感じることができます。施設の方たちに感謝です。
夏は常々、入所者である被後見人が「食中毒」になっていないかなどが気になります。さらに食中毒だけではなく被後見人の「食欲」も気になります。
お年を召され体調が悪くなると食欲がなくなります。元気な方は決まって食欲旺盛です。だから私は必ず「こんにちは、食事はちゃんと食べていますか?美味しいですか?」と聞きます。昨日も同じように聞きました。被後見人の方は軽度の認知症なので毎回私を認識しているかどうかわかりませんが、昨日は私の顔を見るなり「・・・・。あ・・・。」といった具合でした。「食べてます・・・。」という回答を聞き、安心しました。
昨日は部屋のロビーに入所者全員が集まり、全員で懐かしのメロディーを合唱していました。みな非常に楽しそうでした。人生の終末を迎えた方たちがのんびりと余生を過ごしています。この光景を寂しいと捉えることもできましょうが、私は入所者が今までの人生で全てをやり遂げたという充実感のようなものを感じています。その傍らに同席していた私も充実感を感じるとともに、のんびりとした時間を過ごすことができます。
施設によってまちまちですが、このような合唱等の催しを丁寧に実施してくれています。職員の方も全員大変優しく、そこにいるだけで守られている安心感を感じることができます。施設の方たちに感謝です。
2011年07月27日
執務姿勢を考える
しばらくの間ブログを書いていませんでした。職務上、あまり詳しいことを書くと守秘義務違反になりますので控えていたこともありました。また、手のかかる仕事をしていたこともありブログで公表する内容ではなかったためでもありました。
昨今、私は、我々のあるべき執務姿勢を黙考していることが多くなりました。その題材になる案件として過去に以下のような不動産登記の決済の仕事がありました。
①不動産業者からの紹介で不動産の買主に所有権移転の登記をする決済の依頼を受けました。買主の買受意思や登記意思を確認するため丁寧に買主にアポイントをとり買主を訪問したところ、何となく私を歓迎していない空気を感じ取りました。色々会話をしていくと、細かいことに文句を言っているような発言が目立つようになってきました。「登記をするのに市役所に住民票を取得しに行くのが面倒で行きたくない。」とか「登録免許税を払わない方法はないのか。」等々。
挙げ句の果てに当事務所で出した登記費用の見積もりを他の同業に見せて「高い」だの「なぜこの費用を取るのか。」とか様々なケチをつけてきました。買主から紹介先の不動産業者にも連絡が来たようで、それを聞いた不動産業者は「見積もりが高いみたいなので下げてやってくれ。」私に対してこの一言だけの説明でした。
我々の報酬も自由化されていますし、高いと言われても2万円程度でした。なぜこんなに文句を言われた挙げ句に金額も下げなくてはいけないのか、と非常に不愉快な思いをしました。
②同じく決済の仕事でした。同様に紹介を受けた買主に見積もりを出しました。その時は何も言ってこなかったのですが、数ヶ月後に再び見積依頼がありましたが、前回の契約内容と異なるので若干費用が高くなってしまいました。
すると、買主から直ぐに電話がかかってきました。「前回の見積もりと違う。前回の金額でやってくれ。金額が変わったのはおたくのせいなんだから。」
私の胸の内「お言葉ですが契約内容が変わったのは私のせいではありません。業者に頼んで土地を分筆したのはおたくと業者等がやったことじゃないですか?」
なぜこんなことになってしまったのか、今でもよく考えます。
その答えは、多分、(紹介者は悪気はないものの)司法書士を無理矢理紹介されてしまった、自分の意向も確認せずに話が勝手に進んでいる、と買主は考えていたのでしょう。「いつもお願いしている司法書士がいるのに・・・。依頼する司法書士は自分で探したいのに・・・。なぜ司法書士が出てくるの?」依頼者はこう考えているのに無理矢理あてがわれてしまった・・・。
さらに、紹介者から司法書士を紹介する必要性につき十分な説明がないまま、いきなり司法書士が出てきて「今回は仕事をさせていただきます。よろしくお願いいたします。」ということになってしまった・・・。
つまるところ依頼したくないのです。
残念ですが、こうなってしまうと歓迎されていないのは当然ですし、仕事をしていてもあちこちに文句を付けられるようになるのでしょう。「気に入らない。色々ケチをつけたい。難癖をつけて困らせてやれ。」しまいには「おたくに協力なんかしたくない。おたくの仕事は成立させない。」こんな具合でしょう。
何でも無理はいけないと思います。無理な執務姿勢は以上のような「ケチ」がつく原因になると思います。ただし、自分が無理をしていなくても、このように紹介されただけで被害を被る時があります。これは防ぎようもなく非常に悔しいです。次回、そのようなことがないようにするには、紹介くださった業者の執務姿勢をよく確認、検討し、今後のつきあいを考えていくべきだと思います。依頼者との無用なトラブルを抱え仕事はしたくないですから。
昨今、私は、我々のあるべき執務姿勢を黙考していることが多くなりました。その題材になる案件として過去に以下のような不動産登記の決済の仕事がありました。
①不動産業者からの紹介で不動産の買主に所有権移転の登記をする決済の依頼を受けました。買主の買受意思や登記意思を確認するため丁寧に買主にアポイントをとり買主を訪問したところ、何となく私を歓迎していない空気を感じ取りました。色々会話をしていくと、細かいことに文句を言っているような発言が目立つようになってきました。「登記をするのに市役所に住民票を取得しに行くのが面倒で行きたくない。」とか「登録免許税を払わない方法はないのか。」等々。
挙げ句の果てに当事務所で出した登記費用の見積もりを他の同業に見せて「高い」だの「なぜこの費用を取るのか。」とか様々なケチをつけてきました。買主から紹介先の不動産業者にも連絡が来たようで、それを聞いた不動産業者は「見積もりが高いみたいなので下げてやってくれ。」私に対してこの一言だけの説明でした。
我々の報酬も自由化されていますし、高いと言われても2万円程度でした。なぜこんなに文句を言われた挙げ句に金額も下げなくてはいけないのか、と非常に不愉快な思いをしました。
②同じく決済の仕事でした。同様に紹介を受けた買主に見積もりを出しました。その時は何も言ってこなかったのですが、数ヶ月後に再び見積依頼がありましたが、前回の契約内容と異なるので若干費用が高くなってしまいました。
すると、買主から直ぐに電話がかかってきました。「前回の見積もりと違う。前回の金額でやってくれ。金額が変わったのはおたくのせいなんだから。」
私の胸の内「お言葉ですが契約内容が変わったのは私のせいではありません。業者に頼んで土地を分筆したのはおたくと業者等がやったことじゃないですか?」
なぜこんなことになってしまったのか、今でもよく考えます。
その答えは、多分、(紹介者は悪気はないものの)司法書士を無理矢理紹介されてしまった、自分の意向も確認せずに話が勝手に進んでいる、と買主は考えていたのでしょう。「いつもお願いしている司法書士がいるのに・・・。依頼する司法書士は自分で探したいのに・・・。なぜ司法書士が出てくるの?」依頼者はこう考えているのに無理矢理あてがわれてしまった・・・。
さらに、紹介者から司法書士を紹介する必要性につき十分な説明がないまま、いきなり司法書士が出てきて「今回は仕事をさせていただきます。よろしくお願いいたします。」ということになってしまった・・・。
つまるところ依頼したくないのです。
残念ですが、こうなってしまうと歓迎されていないのは当然ですし、仕事をしていてもあちこちに文句を付けられるようになるのでしょう。「気に入らない。色々ケチをつけたい。難癖をつけて困らせてやれ。」しまいには「おたくに協力なんかしたくない。おたくの仕事は成立させない。」こんな具合でしょう。
何でも無理はいけないと思います。無理な執務姿勢は以上のような「ケチ」がつく原因になると思います。ただし、自分が無理をしていなくても、このように紹介されただけで被害を被る時があります。これは防ぎようもなく非常に悔しいです。次回、そのようなことがないようにするには、紹介くださった業者の執務姿勢をよく確認、検討し、今後のつきあいを考えていくべきだと思います。依頼者との無用なトラブルを抱え仕事はしたくないですから。
2011年06月15日
簡易裁判所での過払金返還請求訴訟
クレジット、サラ金業者のグレーゾーン金利による過払金返還請求についてはすでに広く周知されています。
払いすぎた利息を元本に充当し、充当した結果元本以上の金銭を支払った場合、その払いすぎた金は過払金として返還請求が認められるというのが過払金です。
最近は、計算の結果過払金が生じる場合にその存在を事前に業者に通知せず、いきなり簡易裁判所に訴訟を出す手法が大勢を占めてきたようです。「事前に交渉もないままにたくさんの訴訟が打たれている。」と業者の担当者が言っています。
ある業者は「訴訟を出す前に相談してください。」と言いますが、どの事務所もすぐ訴訟をしているようです。業者が倒れかかっているので過払金のぶんどり合戦になっているのでしょう。早くしないと武富士みたいになってしまうということも考えなくてはいけないかもしれません。
ご自身が原告となり業者を被告として司法書士や弁護士を付けず訴訟をすることは現行法からも可能です。しかし、あまりゆっくり準備されていると過払金の返還条件が悪くなってしまいます。「自分でやるのはちょっと面倒。だけど少しでも過払金の返還を受けたい。」と回収を躊躇されている方はなるべく早くご相談ください。司法書士は金140万円以内でしたら簡易裁判所での訴訟代理権があります。依頼すればすべて任せられます。
払いすぎた利息を元本に充当し、充当した結果元本以上の金銭を支払った場合、その払いすぎた金は過払金として返還請求が認められるというのが過払金です。
最近は、計算の結果過払金が生じる場合にその存在を事前に業者に通知せず、いきなり簡易裁判所に訴訟を出す手法が大勢を占めてきたようです。「事前に交渉もないままにたくさんの訴訟が打たれている。」と業者の担当者が言っています。
ある業者は「訴訟を出す前に相談してください。」と言いますが、どの事務所もすぐ訴訟をしているようです。業者が倒れかかっているので過払金のぶんどり合戦になっているのでしょう。早くしないと武富士みたいになってしまうということも考えなくてはいけないかもしれません。
ご自身が原告となり業者を被告として司法書士や弁護士を付けず訴訟をすることは現行法からも可能です。しかし、あまりゆっくり準備されていると過払金の返還条件が悪くなってしまいます。「自分でやるのはちょっと面倒。だけど少しでも過払金の返還を受けたい。」と回収を躊躇されている方はなるべく早くご相談ください。司法書士は金140万円以内でしたら簡易裁判所での訴訟代理権があります。依頼すればすべて任せられます。
2011年05月25日
任意整理 有終の美たる有終の涙
任意整理において、ある業者の負債がなくなり過払金が回収できた時は、その過払金で他社の負債を返済すると借金が全部なくなる時があります。借金チャラです。まさに起死回生の一発です。
先日めでたく任意整理が終わった方の最終面談をしました。いつも私は「うちの事務所を卒業できましたね。信頼関係が築けただけに少し寂しいけど、これで債務の整理は完全に終わりましたね。これからはお体に気をつけてしっかりと生活されてください。」なる旨の言葉を依頼者の方に伝えます。
依頼者の皆さんは口を揃えて言います。「今までは日常生活では片時も債務の返済のことが頭から離れなかった。本当にありがとうございました。」
これは甚大な精神的苦痛だったでしょう。
私の事務所の依頼者の方で、過去に、仕事が終わる最終面談で涙された方がいらっしゃいます。今回も有終の美たる有終の涙を見ました。私としての仕事を評価くださったこととして非常に光栄ですが、何分男は特に女性の涙に弱いものです。
とっても困ってしまいます。
先日めでたく任意整理が終わった方の最終面談をしました。いつも私は「うちの事務所を卒業できましたね。信頼関係が築けただけに少し寂しいけど、これで債務の整理は完全に終わりましたね。これからはお体に気をつけてしっかりと生活されてください。」なる旨の言葉を依頼者の方に伝えます。
依頼者の皆さんは口を揃えて言います。「今までは日常生活では片時も債務の返済のことが頭から離れなかった。本当にありがとうございました。」
これは甚大な精神的苦痛だったでしょう。
私の事務所の依頼者の方で、過去に、仕事が終わる最終面談で涙された方がいらっしゃいます。今回も有終の美たる有終の涙を見ました。私としての仕事を評価くださったこととして非常に光栄ですが、何分男は特に女性の涙に弱いものです。
とっても困ってしまいます。
2011年05月18日
職員(従業員)根性
成年後見人は、被後見人が入所する施設を定期的に訪問します。私も定期的に訪問していますが、施設訪問の際にしばしば感じていることがあります。
特別養護老人ホームにしろ老人保健施設にしろ、訪問の都度今まで見たこともない職員やボランティアの方がいます。それらの方に私からちょっと被後見人の様子を伺う時があります。すると決まって返ってくる回答があります。
「私はボランティアだから分かりません・・・。」「私は先週入ったばかりなので分かりません・・・。」毎回同じような回答が返ってきます。
私はその施設に大切な被後見人を預けています。その被後見人の車椅子を押している人に「最近の様子はいかがですか?」と聞いても、概ねこれらの回答です。車椅子を押している近くの職員に聞いても詳細がよく分からないような返答が返ってきます。これでは困ると思うのですが。もう少し職員として上手い「返し方」がないのか?と思います。
特に親族を預けている方だったら「俺の親だぞ!もっとちゃんと仕事しろよ!ただ車椅子を押していれば良いってもんじゃないぞ!分かってんのか?」とでも言いたいと思います。(仮に私の親を預けているのであれば私はこう言っているかもしれません。)
老人の介助は非建設的な作業です。対価を求めない思いやりの気持ちや奉仕の気持ちがないと勤まらないと思います。今、就職がないからといって単に「とりあえず介護施設で働いてみよう」とか「勤務時間が無事に済めば給料がもらえる」という気持ちで施設の職員になってもらっては困ります。
また、ボランティアだから入所者の車椅子を押していれば仕事をしたことになるという考えもおかしいと思います。おおよそ施設にいて働いているのであれば、入所者本人の近況を聞かれたらある程度のことを回答できないとほとんど意味ないです。いるだけだったらガキの使いですよ。
こんな感じなのでしょうがなくいつも施設の上層部の方と話をすると、だいたいの事を教えてくださいますので納得できます。
どこの社会でもこれらの状況が見られると思います。職員は「自分はこの仕事(車椅子を押す仕事)の担当だから聞かれても他は分からない。」「自分は入ったばかりだから分からない。」「自分はボランティアだから分からない。」「自分はその人の担当じゃないから分からない。」責任逃れの言葉ばかりです。
確かに一職員では責任が取れないことはあります。給料も安く昇級の見込みがないから自分の担当している仕事以外のことは手間がかかるだけでやりたくないし、やると損をする。」こういう考えが行動に出ているんだと思います。
一方で上層部の人は「これでは入所者親族の方たちからクレームが来るのは当然だ。もっと対応の仕方が上手くできないものか?もっと気が利かないものか?」と考えていることでしょう。(実際に入所者の親族の方からこの類のクレームを受けているという話を聞いていますがこの有様では仕方ないでしょう。)
職員や従業員の皆さん、私も従業員の経験がありますので「自分は分からない。」という責任逃れの気持ちは分かります。しかし自分の仕事以外の仕事でも毎日その職場にいるのだからだいたいの事くらいは覚えること自体も仕事です。自分は職員(従業員)だから分からない・・・、という対応だったら、どこへ行っても通用しません。こういう職員(従業員)根性のままで仕事を続けると自分の仕事力は伸びず、最終的に困るのはご自身です。心して仕事に打ち込むことを心掛けたいものです。
特別養護老人ホームにしろ老人保健施設にしろ、訪問の都度今まで見たこともない職員やボランティアの方がいます。それらの方に私からちょっと被後見人の様子を伺う時があります。すると決まって返ってくる回答があります。
「私はボランティアだから分かりません・・・。」「私は先週入ったばかりなので分かりません・・・。」毎回同じような回答が返ってきます。
私はその施設に大切な被後見人を預けています。その被後見人の車椅子を押している人に「最近の様子はいかがですか?」と聞いても、概ねこれらの回答です。車椅子を押している近くの職員に聞いても詳細がよく分からないような返答が返ってきます。これでは困ると思うのですが。もう少し職員として上手い「返し方」がないのか?と思います。
特に親族を預けている方だったら「俺の親だぞ!もっとちゃんと仕事しろよ!ただ車椅子を押していれば良いってもんじゃないぞ!分かってんのか?」とでも言いたいと思います。(仮に私の親を預けているのであれば私はこう言っているかもしれません。)
老人の介助は非建設的な作業です。対価を求めない思いやりの気持ちや奉仕の気持ちがないと勤まらないと思います。今、就職がないからといって単に「とりあえず介護施設で働いてみよう」とか「勤務時間が無事に済めば給料がもらえる」という気持ちで施設の職員になってもらっては困ります。
また、ボランティアだから入所者の車椅子を押していれば仕事をしたことになるという考えもおかしいと思います。おおよそ施設にいて働いているのであれば、入所者本人の近況を聞かれたらある程度のことを回答できないとほとんど意味ないです。いるだけだったらガキの使いですよ。
こんな感じなのでしょうがなくいつも施設の上層部の方と話をすると、だいたいの事を教えてくださいますので納得できます。
どこの社会でもこれらの状況が見られると思います。職員は「自分はこの仕事(車椅子を押す仕事)の担当だから聞かれても他は分からない。」「自分は入ったばかりだから分からない。」「自分はボランティアだから分からない。」「自分はその人の担当じゃないから分からない。」責任逃れの言葉ばかりです。
確かに一職員では責任が取れないことはあります。給料も安く昇級の見込みがないから自分の担当している仕事以外のことは手間がかかるだけでやりたくないし、やると損をする。」こういう考えが行動に出ているんだと思います。
一方で上層部の人は「これでは入所者親族の方たちからクレームが来るのは当然だ。もっと対応の仕方が上手くできないものか?もっと気が利かないものか?」と考えていることでしょう。(実際に入所者の親族の方からこの類のクレームを受けているという話を聞いていますがこの有様では仕方ないでしょう。)
職員や従業員の皆さん、私も従業員の経験がありますので「自分は分からない。」という責任逃れの気持ちは分かります。しかし自分の仕事以外の仕事でも毎日その職場にいるのだからだいたいの事くらいは覚えること自体も仕事です。自分は職員(従業員)だから分からない・・・、という対応だったら、どこへ行っても通用しません。こういう職員(従業員)根性のままで仕事を続けると自分の仕事力は伸びず、最終的に困るのはご自身です。心して仕事に打ち込むことを心掛けたいものです。
2011年05月11日
売買の決済日(立会)
不動産仲介業者さんは不動産の売却の仲介をします。「不動産を売りたい」時は仲介業者さんにお願いします。
買主が決まると、買主から売主に手付金の交付を済ませます。これが済むと売買契約は簡単には破棄できなくなります。そして最後に残代金の決済日を設け最終手続をします。これを我々は俗に「決済」とか「立会」とか言ってます。この決済日に我々司法書士が立会い、その場で登記申請に必要な書類、例えば売主の印鑑証明書などを受領します。
昨日もそうでしたが、通常は仲介業者の方に「登記に必要な書類が全て揃ったら、先生が合図をお願いいたします。そうしましたら残代金の決済をします。」と言われます。
残代金といっても10万円や20万円の小金ではなく、何百万円、何千万円の金額が動きます。たとえ業者さんと一緒に手続を進めてきたといえども、その際には私の合図が求められますので責任重大です。正直やはり少し緊張します。
そういえば・・・今からおおよそ6年前のことでした。昨日のことのように思い出します。
あれは私が司法書士に成り立ての開業2週間目でした。知りあったばかりの業者様のご配慮で、簡単な売買の決済をさせていただいた事がありました。
実務経験が全くなく、司法書士事務所に就職を希望したものの全く縁がなかった私は、試験合格後1年も経たずに即開業せざるをえない状況にありました。今はやりの言葉でいえば、いわゆる「即独」司法書士でした。
その最初の決済の時は非常に緊張しました。書類の最終チェックは完璧に終わっているものの「決済日に何かあったらどうしよう」という具合で、恥ずかしい話、決済日前日はほとんど眠れないような状況でした。
決済をさせていただく度に、あの時の緊張感がよみがえってきます。本当に良い経験をさせていただきました。
当時ご配慮くださった業者様には今でも感謝の気持ちでいっぱいです。
買主が決まると、買主から売主に手付金の交付を済ませます。これが済むと売買契約は簡単には破棄できなくなります。そして最後に残代金の決済日を設け最終手続をします。これを我々は俗に「決済」とか「立会」とか言ってます。この決済日に我々司法書士が立会い、その場で登記申請に必要な書類、例えば売主の印鑑証明書などを受領します。
昨日もそうでしたが、通常は仲介業者の方に「登記に必要な書類が全て揃ったら、先生が合図をお願いいたします。そうしましたら残代金の決済をします。」と言われます。
残代金といっても10万円や20万円の小金ではなく、何百万円、何千万円の金額が動きます。たとえ業者さんと一緒に手続を進めてきたといえども、その際には私の合図が求められますので責任重大です。正直やはり少し緊張します。
そういえば・・・今からおおよそ6年前のことでした。昨日のことのように思い出します。
あれは私が司法書士に成り立ての開業2週間目でした。知りあったばかりの業者様のご配慮で、簡単な売買の決済をさせていただいた事がありました。
実務経験が全くなく、司法書士事務所に就職を希望したものの全く縁がなかった私は、試験合格後1年も経たずに即開業せざるをえない状況にありました。今はやりの言葉でいえば、いわゆる「即独」司法書士でした。
その最初の決済の時は非常に緊張しました。書類の最終チェックは完璧に終わっているものの「決済日に何かあったらどうしよう」という具合で、恥ずかしい話、決済日前日はほとんど眠れないような状況でした。
決済をさせていただく度に、あの時の緊張感がよみがえってきます。本当に良い経験をさせていただきました。
当時ご配慮くださった業者様には今でも感謝の気持ちでいっぱいです。
2011年04月22日
家庭裁判所の参与員
家庭裁判所から就任の依頼があった後見案件や後見監督案件については、概ね1年に1度、「家庭裁判所に財産目録や収支状況報告書を提出し、財産状況を報告せよ」というお達しが来ます。家裁の書記官等はこれを「立件」というようで、しばしば会話に「立件する」「立件しない」という言葉が出てきます。
私の担当する案件についても本年度も家裁に財産目録等の報告をしております。財産目録には昨年と比較した本年度の預金口座の残額等の財産額を記載します。そして収支状況報告書では、「入院費」「社会保険料」などそれぞれの個別の項目にいくら使ったかを記載します。収支状況報告書の収支の差額は、財産目録で記載された1年間の収支の差額と同額になります。この数値に誤差があると家庭裁判所は必ずつっこみを入れてきます。
この財産目録や収支状況報告書を提出すると、まずはじめに裁判所書記官が受付した後、参与員という臨時職員なる方が財産目録と収支状況報告書の数値をチェックするようです。財産目録や収支状況報告書の数値が合わなかったり、領収書と引落金額に齟齬があると参与員から直接電話がかかってきます。
先日、私の後見監督案件でも「入院費が二重に引き落とされている」という指摘を受け、後見人に確認したところ、誤って引き落としてしまったことが分かりました。
参与員は、被後見人の財産を何の用途に使ったかについてはほとんど突っ込みはしないようですが、領収書と引落金額との整合性はよく見ているようです。
どちらにしてもしっかり財産を管理することが求められます。
私の担当する案件についても本年度も家裁に財産目録等の報告をしております。財産目録には昨年と比較した本年度の預金口座の残額等の財産額を記載します。そして収支状況報告書では、「入院費」「社会保険料」などそれぞれの個別の項目にいくら使ったかを記載します。収支状況報告書の収支の差額は、財産目録で記載された1年間の収支の差額と同額になります。この数値に誤差があると家庭裁判所は必ずつっこみを入れてきます。
この財産目録や収支状況報告書を提出すると、まずはじめに裁判所書記官が受付した後、参与員という臨時職員なる方が財産目録と収支状況報告書の数値をチェックするようです。財産目録や収支状況報告書の数値が合わなかったり、領収書と引落金額に齟齬があると参与員から直接電話がかかってきます。
先日、私の後見監督案件でも「入院費が二重に引き落とされている」という指摘を受け、後見人に確認したところ、誤って引き落としてしまったことが分かりました。
参与員は、被後見人の財産を何の用途に使ったかについてはほとんど突っ込みはしないようですが、領収書と引落金額との整合性はよく見ているようです。
どちらにしてもしっかり財産を管理することが求められます。
2011年04月14日
監査役と取締役等との兼任禁止
先日、株式会社の監査役の変更登記を受託しました。より具体的に変更登記とは、旧監査役Aの辞任(任期中に辞める)登記と、新しく就任するBの就任登記のことです。
監査役は、その株式会社の取締役、支配人、使用人などとの兼任が禁止されております。これは、自分が業務を行ったり働いている会社をその人自身が監査役として監査することは職務上公正になしえないという趣旨からの規定です。(会社法335条2項)
同族で運営する会社では、1人が取締役と監査役に就任すれば外部から監査役を就任させる必要がないから等、便宜上の理由等で、取締役と監査役を兼任させれば都合が良いと考える場合もあるかもしれませんが、それはできません。
ちなみに司法書士試験でも、上記の「監査役と取締役等との兼任禁止」が記述式問題で良く問われます。普通に株主総会議事録でその会社の取締役Aを監査役として選任決議をしているような問題設定になっている場合は、監査役の就任の登記はできないという結論を出すことになります。
試験では「これは登記できません!」で済みますが、実務では依頼会社の関係者と事前にしっかり協議、確認してから作業を進めることになります。
監査役は、その株式会社の取締役、支配人、使用人などとの兼任が禁止されております。これは、自分が業務を行ったり働いている会社をその人自身が監査役として監査することは職務上公正になしえないという趣旨からの規定です。(会社法335条2項)
同族で運営する会社では、1人が取締役と監査役に就任すれば外部から監査役を就任させる必要がないから等、便宜上の理由等で、取締役と監査役を兼任させれば都合が良いと考える場合もあるかもしれませんが、それはできません。
ちなみに司法書士試験でも、上記の「監査役と取締役等との兼任禁止」が記述式問題で良く問われます。普通に株主総会議事録でその会社の取締役Aを監査役として選任決議をしているような問題設定になっている場合は、監査役の就任の登記はできないという結論を出すことになります。
試験では「これは登記できません!」で済みますが、実務では依頼会社の関係者と事前にしっかり協議、確認してから作業を進めることになります。
2011年03月25日
小規模個人再生
昨日、東京司法書士会で「個人再生」に関する研修がありました。主に個人再生の申立方法についての研修でした。
債務を整理するためのメニューとしては、ご存じの通り、任意整理、自己破産があります。任意整理は債務を分割して返済していく解決方法です。自己破産は裁判所に申し立てて負債をすべて免除してもらう解決方法です。
これ以外に、個人再生というメニューがあります。これは、債務の一部をカットし、残りの債務を分割して支払っていく解決方法です。
私の事務所の債務整理案件では、個人再生を選択したことはあまりありませんでした。というのも、任意整理つまり分割返済で解決できないのであれば、通常、残債務を支払っていける程の余裕のある人があまりいないのが現状だったからです。負債を一部カットしても負債が残る解決方法よりも、自己破産ということで負債を全部なくすということが本人にとって真の意味での生活改善につながると考えるからです。一部をカットしても本人が将来支払える保証はありません。本人が病気をするかもしれません。失業してしまうかもしれません。
そんな理由で、任意整理が出来ない時は、積極的に自己破産を選択してきました。
しかし、「どうしても自己破産はしたくない」という事情のある人もいます。そのような時に要件をよく検討した上「個人再生」の選択を考えます。
メリットとしては、大幅に元本をカットできることにあります。特に負債が大きい方はカット幅も大きくなるといえます。
デメリットとしては、申立から分割返済をはじめるまでに半年程度の長期間の時間を要することや、分割弁済期間が原則3年であることから、すべて解決するまで非常に時間がかかることがあげられます。
受託後、支払を開始するまで1年以上かかってしまうケースも多く、利益追求ではなく依頼者の生活再建にじっくり向き合わなくてはならないので、我々司法書士としても仕事の手離れが遅くなることは否めない事実です。
債務を整理するためのメニューとしては、ご存じの通り、任意整理、自己破産があります。任意整理は債務を分割して返済していく解決方法です。自己破産は裁判所に申し立てて負債をすべて免除してもらう解決方法です。
これ以外に、個人再生というメニューがあります。これは、債務の一部をカットし、残りの債務を分割して支払っていく解決方法です。
私の事務所の債務整理案件では、個人再生を選択したことはあまりありませんでした。というのも、任意整理つまり分割返済で解決できないのであれば、通常、残債務を支払っていける程の余裕のある人があまりいないのが現状だったからです。負債を一部カットしても負債が残る解決方法よりも、自己破産ということで負債を全部なくすということが本人にとって真の意味での生活改善につながると考えるからです。一部をカットしても本人が将来支払える保証はありません。本人が病気をするかもしれません。失業してしまうかもしれません。
そんな理由で、任意整理が出来ない時は、積極的に自己破産を選択してきました。
しかし、「どうしても自己破産はしたくない」という事情のある人もいます。そのような時に要件をよく検討した上「個人再生」の選択を考えます。
メリットとしては、大幅に元本をカットできることにあります。特に負債が大きい方はカット幅も大きくなるといえます。
デメリットとしては、申立から分割返済をはじめるまでに半年程度の長期間の時間を要することや、分割弁済期間が原則3年であることから、すべて解決するまで非常に時間がかかることがあげられます。
受託後、支払を開始するまで1年以上かかってしまうケースも多く、利益追求ではなく依頼者の生活再建にじっくり向き合わなくてはならないので、我々司法書士としても仕事の手離れが遅くなることは否めない事実です。
2011年03月08日
「遺産分割による贈与」の登記
子のないAさんが死亡しました。Aさんには配偶者のBさんと、Aさんの実母Cさんがいました。相続人はBさんとCさんになります。
BさんはAさんとの思い出をたくさん遺しておきたいと考えていましたので、Aさんの遺した財産すべてを1人で相続したいと考えていました。しかしBさんが1人で財産を承継するとCさんの相続分がなくなってしまいます。ここで実母Cさんが相続による権利を全部放棄することも可能ですが、それでは余りにもCに不公平になる場合があります。案件の置かれた状況などにもよりますが、今回は諸般の事情によりCさんにも何らかの財産を相続させることになりましたが、Aさんの相続財産は、現在Bさんも居住している不動産しかなく、Aさんはまとまったお金も遺していなかったので、実母に何の財産をどうやって与えようかと悩みました。
そこで考えました。
Bさんは、Cさんの息子Dさん(DはAの弟)と、それぞれ2分の1づつ、ある別の土地を共同所有していました。この土地の持分2分の1をBさんがCさんに譲渡することにしました。こうすることで後々Cさんが死亡した後、Dさんがその土地持分をCさんから相続すればDさんが単独所有者になり土地を1人で利用することができるようになります。
つまり「BさんがAさんの財産を全て相続する遺産分割協議をする代わりに、Bさんが現在持っている別の土地持分2分の1をCさんに譲渡して遺産分割協議を完成させる」という遺産分割協議を成立させました。このような協議で不動産を譲渡する行為は「遺産分割による贈与」というもので、法務局に登記を申請する際、登記原因という項目に「遺産分割による贈与」と書いて出します。
それにしても、こんな登記、司法書士試験の受験勉強でやっただけでした。今まで実務をやっていて出したこともありませんでした。今回は何か手がないかとやってみました。何とか登記を申請し完了できました。
ちょっと変わった登記申請でした。ちなみに電子申請で出しました。
BさんはAさんとの思い出をたくさん遺しておきたいと考えていましたので、Aさんの遺した財産すべてを1人で相続したいと考えていました。しかしBさんが1人で財産を承継するとCさんの相続分がなくなってしまいます。ここで実母Cさんが相続による権利を全部放棄することも可能ですが、それでは余りにもCに不公平になる場合があります。案件の置かれた状況などにもよりますが、今回は諸般の事情によりCさんにも何らかの財産を相続させることになりましたが、Aさんの相続財産は、現在Bさんも居住している不動産しかなく、Aさんはまとまったお金も遺していなかったので、実母に何の財産をどうやって与えようかと悩みました。
そこで考えました。
Bさんは、Cさんの息子Dさん(DはAの弟)と、それぞれ2分の1づつ、ある別の土地を共同所有していました。この土地の持分2分の1をBさんがCさんに譲渡することにしました。こうすることで後々Cさんが死亡した後、Dさんがその土地持分をCさんから相続すればDさんが単独所有者になり土地を1人で利用することができるようになります。
つまり「BさんがAさんの財産を全て相続する遺産分割協議をする代わりに、Bさんが現在持っている別の土地持分2分の1をCさんに譲渡して遺産分割協議を完成させる」という遺産分割協議を成立させました。このような協議で不動産を譲渡する行為は「遺産分割による贈与」というもので、法務局に登記を申請する際、登記原因という項目に「遺産分割による贈与」と書いて出します。
それにしても、こんな登記、司法書士試験の受験勉強でやっただけでした。今まで実務をやっていて出したこともありませんでした。今回は何か手がないかとやってみました。何とか登記を申請し完了できました。
ちょっと変わった登記申請でした。ちなみに電子申請で出しました。
2011年03月01日
定期面談
私の事務所で債務整理を受託すると、事務所の方針として概ね1ヶ月に1度、依頼者の方に事務所にご来所いただいた上で面談をさせていただきます。面談の際、依頼者の個別の進捗状況を説明するのはもちろんのこと、今後の生活を含めた全般的な話し合いを行っています。これは私が問いつめるような厳しい面談ではありません。本当の意味での話し合いの場を設けています。例えば、毎月の支出が多いのであればどうしたら良いかを一緒に考えたり、支出の部分でカットすべきものを考えたりすることもあります。
依頼者の方の一般的な傾向としては、収入以上の支出をしているということが言えます。いくらカードを使って買えるといっても、それをカバーする程度の収入の見込みがなければ、任意整理や自己破産、個人再生が待っています。
収入増を見込めないのであれば支出を考え直さなければいけません。案件によってですが、少しでも意識を変える気持ちを持ってもらいたいと思っています。あたりまえのことかもしれませんが、1人で実践するには難しいと思います。
依頼者の方の一般的な傾向としては、収入以上の支出をしているということが言えます。いくらカードを使って買えるといっても、それをカバーする程度の収入の見込みがなければ、任意整理や自己破産、個人再生が待っています。
収入増を見込めないのであれば支出を考え直さなければいけません。案件によってですが、少しでも意識を変える気持ちを持ってもらいたいと思っています。あたりまえのことかもしれませんが、1人で実践するには難しいと思います。
2011年02月18日
オンライン申請2
本日、オンライン申請(電子申請)で抵当権抹消登記を申請しました。本年度2/14から法務省の新システムによるオンライン申請による登記申請が始まりましたので、早速、新システムにて抵当権抹消登記の申請をしてみました。
新システムは、旧システムと比較して、簡単に申請できるようになりました。随所に気配りがなされていて、いままで人力で作成して提出していた付属書類(添付情報の内訳書や登録免許税納付用紙)も全自動で作成されるように改善されており、あとはプリントアウトして郵送すれば済むようになりました。また、登記申請が完了すると、申請先の登記所の記載がある「受付のお知らせ」という用紙をプリントアウトできるようになりました。その他、事務所のパソコンに自ら申請ホルダーを作成して登記申請書を格納する等の面倒な作業もなくなりました。
どちらにしても、従来は「オンライン申請」と聞くと、「法務局に行かなくてもいいけど申請するのに若干面倒だ」と感じていましたが、これからは少し楽になってくると思います。近年、我々司法書士においてもオンライン申請が普及しつつあり、法務局に行く用事が減ってきていると言われています。現時点では、登記が完了した際の「登記識別情報」を回収に行く場合もありますが、これも郵送で済ませている場合もあるのが現状で、近い将来には殆ど登記所に行かずに登記申請できる時代が来るのかもしれません。
新システムは、旧システムと比較して、簡単に申請できるようになりました。随所に気配りがなされていて、いままで人力で作成して提出していた付属書類(添付情報の内訳書や登録免許税納付用紙)も全自動で作成されるように改善されており、あとはプリントアウトして郵送すれば済むようになりました。また、登記申請が完了すると、申請先の登記所の記載がある「受付のお知らせ」という用紙をプリントアウトできるようになりました。その他、事務所のパソコンに自ら申請ホルダーを作成して登記申請書を格納する等の面倒な作業もなくなりました。
どちらにしても、従来は「オンライン申請」と聞くと、「法務局に行かなくてもいいけど申請するのに若干面倒だ」と感じていましたが、これからは少し楽になってくると思います。近年、我々司法書士においてもオンライン申請が普及しつつあり、法務局に行く用事が減ってきていると言われています。現時点では、登記が完了した際の「登記識別情報」を回収に行く場合もありますが、これも郵送で済ませている場合もあるのが現状で、近い将来には殆ど登記所に行かずに登記申請できる時代が来るのかもしれません。
2011年01月21日
遺言書の検認手続
ある人が死亡して部屋から遺言書が見つかりました。その遺言書は死亡者自らの手で書かれたもの(自筆証書遺言)でした。遺言の保管者は、相続の開始を知った後遅滞なくこれを家庭裁判所に提出して、その検認を請求しなければならない、と民法に規定があります。
検認とは、遺言者死亡後、遺言の偽造、変造、隠匿を防止するため、遺言書の形式その他状態を調査確認するという検証の一種だそうです。この検認をしないで遺言を執行(遺言内容にしたがい財産を処分などした場合のこと)しようとすると、実務上、執行が難しいと思われます。
特に不動産の名義を変更する場合は、家庭裁判所の検認を受けた遺言書を添付しなければならない、という明確な登記先例(行政庁の通達的なもの)があります。検認なき遺言書による名義変更を申請しても「検認手続をしてくれ」ということになってしまいます。
現在、ある家庭裁判所に遺言書の検認手続をするために関係書類(戸籍等)の収集や申立書類の作成準備をしております。遺言書の検認手続が無事済んだ後には、受遺者(遺言で財産を取得する人)に不動産の名義を取得させるべく「遺贈による所有権移転登記」を申請する運びとなります。
ちなみに、関係者の方と話をしていた所、私が「遺言」を「イゴン」と発音したところ、「?」という感じになってしまいました。我々は法律用語として「イゴン」として発音しておりますが、一般的には「ユイゴン」と言ったほうが皆さんピンときますね。
検認とは、遺言者死亡後、遺言の偽造、変造、隠匿を防止するため、遺言書の形式その他状態を調査確認するという検証の一種だそうです。この検認をしないで遺言を執行(遺言内容にしたがい財産を処分などした場合のこと)しようとすると、実務上、執行が難しいと思われます。
特に不動産の名義を変更する場合は、家庭裁判所の検認を受けた遺言書を添付しなければならない、という明確な登記先例(行政庁の通達的なもの)があります。検認なき遺言書による名義変更を申請しても「検認手続をしてくれ」ということになってしまいます。
現在、ある家庭裁判所に遺言書の検認手続をするために関係書類(戸籍等)の収集や申立書類の作成準備をしております。遺言書の検認手続が無事済んだ後には、受遺者(遺言で財産を取得する人)に不動産の名義を取得させるべく「遺贈による所有権移転登記」を申請する運びとなります。
ちなみに、関係者の方と話をしていた所、私が「遺言」を「イゴン」と発音したところ、「?」という感じになってしまいました。我々は法律用語として「イゴン」として発音しておりますが、一般的には「ユイゴン」と言ったほうが皆さんピンときますね。

